僕はあの時空を見て
濡れた月に手を伸ばした
夜は白く
ぬめった
教えられたことは
沢山あった
月は太陽の光を反射している
のだそうだ
けれど僕は
月はそれ自身で輝いている
と思うことにした
それから朝になる
昇る太陽は燃えて
世界は焼ける
そうなのかもしれない
大気を焦がす陽光に
一抹の畏怖を持つことは
愚かなことなのだろうか
夢と現実
眠りと死
その区別もつかなかった時代
月までの距離
太陽の重さ
知らなかった時を
僕は時折途方にくれて
ただ空を見上げる
僕もまた見つめられているのか
それにしても
割れ目からこぼれていく水のように
何も伝えることができない
空を見上げまぶたを閉じた瞬間
時は膨大に
誤解しているのだ
そして僕はもう一度濡れた
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