僕が世界だと思っていたものは今朝水を飲んだコップ
僕が世界だと思っていたものは窓に張られた蜘蛛の巣
僕が世界だと思っていたものは生まれなかった子の臍
僕が世界だと思っていたものは――
世界だと思っていたものが変わる瞬間
めまい
軽いめまいだけど
気持ちいいから
僕は世界を何度だって変える
あの割れた透明のコップ
取り払われた蜘蛛の巣
どこかで生まれたかもしれない子
彼らはどの世界で生きているのか
たぶん――
僕の罪は損なったことではなく
その世界を簡単に
こんなにも簡単に変えてしまうことなのだろう
僕の世界
僕の宇宙
そしてまた今日も動き始めた時計を一つ壊したのだった
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