「出産方面」: 連載はじめ。移動につぐ移動。

2009年8月12日水曜日

連載はじめ。移動につぐ移動。

オンライン文芸誌 『破滅派』―後ろ向きのまま前へすすめ― で連載始めました。

『喫茶エリザベート1』青井橘 
あらすじ
老人たちが集う路地裏の喫茶店、エリザベート。店の看板をチャリで破壊してしまい、一応侘びを入れようと店に迷い込んだ主人公と、客、店員、オーナーとの奇妙なやり取り。主人公は何者なのか。老いた客どもは何やつか。生と死、美と醜の矛盾に立ち向かうすべはなく、鼻水を垂らすしかないのか、人間。

なんかもうわけわかんないあらすじで自分で書いたのか編集さんが変えてくれたのか、まじわかんないけど。
いや多分自分で書いたのだ。そうなのだ。ちょっと出だし一話目は会話とか少ない描写ばかりで読みにくいかもしれませんが、よろしくです。
きょうび、さまざまな分野でのオルタな活動は熱く文芸的にもなんかないかなと探してましたが、雑誌的におもろいのです。特に紙雑誌『破滅派』はお買い得。面白い書き手さん、沢山います。買おう!
色々書いてると色々たまってきますが、いつまでもこねくり回しててもしょうがないので、常に新しく。
常に後ろ向きでも前に進むのね。

少し前からなんでんかんでん考える事があって、人とも話してあれこれ。
今のところ熱く思った事は短くいえないけど、無理やり短く。

われらの時代、われらの時代は、あきらめてもあきらめない。
しらけてもしらけてらんない。新しい今なのだ。

わたしは生活レベルでは常に変化、安定せず、ぐらぐらとした石の上にたったり座ったりだけれども、なんや働いて食ってきたけど、でも変化は沢山あった。なんか、それって、みんなそうなのかもしれないね。心がどこかにおさまりきってしまうことができひんから、肯定して、否定の言葉も肯定して、ぐっと。否定否定の時代は終わり、ちょっともうまじでそんなこと言ってらんない時代だから、わたしは何かが好きな事を、素晴らしいと思う事を言うために何かを否定して反作用的に肯定する言葉は否定します。これも何かを否定して肯定する言葉なので自分で否定せねばならないけど、わー!

移動が多い日々が続き、移動してる間に軽く一週間くらい過ぎてしまうのですが、移動につぐ移動なのは仕事があちこちなのだからで、さまざまな乗り物に乗っています。すごい早いの。でも今日という日は毎日、じっとりゆっくり進んでいて、今はなんだかがっと目をみひらいていないといけないけど、そんな時期だけど、しんどいしんどくないいったらまぁあれだけど、仕事、好き。嫌な事もあるけどなんか好きだよ。別に働くのが好きなわけじゃなく、働かなくてもいいならいいなぁとも思うけど、でもそしたら色んな出来事もなかったわけですね。うわっなんかすごい。

移動につぐ移動でめぐり合った人は、たいがいみんな必死に絵、描いてます。私などという正体不明のモチーフをぐっと見て、もう老いも若きも描いていて、ふつうにもう1000人以上とそういうふうに出会ってるんだろう。これだけ沢山の人が、なぜにここまで必死に絵を描くのか、どんな場所でもなんらか、おどろき受けます。

最近印象に残ったのは、やさしいタッチの絵を描く日本画と洋画の間のような不思議に透明な絵を描く、割とねんぱいで、お母さんよりちょっとねんぱい、くらいの女性で、「祇園狂」。祇園祭が好きで好きで、もう好きで好きでしょうがなく、毎年毎年宵以前に十日くらい前から京都に泊まりこみ、あらゆる場所であの、でかいだしものを描いたり、楽器を弾く人や楽器を描いたり、入っちゃいけないところや通行禁止のところに踏み込んで、追い出されたり叱られたりしながら巧妙にすりぬけ、光景描いたりしている。そいで今年は描きたいものを追いかけて全力疾走し、こけて、頭から血を流したらしいです。

休憩時間に、そのへんのところをちょっと聞いちゃおうと話しかけると、ありえへんくらいの優しい笑み。なぁに、とおしつけるでもないあの笑顔は、あれは祇園祭への熱き思いによる邪念喪失、による菩薩のような顔つきで、わたしはいいなぁ、素敵だなぁと思いました。ふわっとした濃い頭髪の奥に、こけた怪我の傷がまだ残っているそうですが、来年はウィークリーマンションを借りるべきか、本当は一月いきたい、いやむしろ住みたいけれど、家族があるから、家族を祇園祭のために引きずり回せないから悩んじゃう、傷のことは悩みでもなく。いやその大阪京都の微妙な距離感もいいと思うけど。ていうか、こんな人が京都に住んで、いったい、毎日何をどうするつもりなのだろうか。

何かを好きで愛してやまない人の口から出てくる言葉は、こう、否定も取り繕いも無く、誇張も無く、素敵なことでした。

2 件のコメント:

  1. そんなあらすじ、やっぱり編集の人は書かないと思うぞ。
    従って貴女が書いたのですな、やはり。
    連載次回を楽しみにしています。

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  2. うん、そうだよね。でもなんか暑くて朦朧としてて、
    直しと同時に違うやつ書いてて、ほら現実もいろいろ走り、
    文章もわけわからんくなってて、何書いたか、あらすじとかは微妙に記憶が。

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